フロノン・ゲームブログ

ゲームの感想とか書く予定だったブログ

スト5がつまらなく感じる理由(ゲームプレイ編)

※2019 12月更新 

以前、スト5への批判記事をこのブログで書きました。

スト5は2018年になっても圧倒的に失敗作のクソゲーだった - フロノン・ゲームブログ

この記事はこのブログにしてはそこそこ反響があり(スト5 つまらない で来る人多い)、その時は主にゲームのグラフィカルな部分への批判が多かったです。

今回、プレイ面に関しての感想を書いてみたいと思います。

 

なぜ書くのか?

一言で言うと不安や違和感。

プロや強豪が大会ですごく楽しんでるように見えるのに、このゲームをつまんないと感じる自分っておかしいんじゃないかなーっていう気持ち。

それをちょっと整理するために、一旦ゲームを自分なりに批評してみたいなと思い書いてみました。

 

※スト5に興味のある新規の方は、この記事に左右されずとりあえずやって見て欲しいです。面白い部分もあるゲームですよ。

理由1 テンポが悪いのではないか

なんとなくプレイしていて「テンポわりーな」と思ったので、まずゲームテンポについて考えてみます。

 

まずは試合時間の長さについて、スト2と比べてみたいと思います。 

・スト2はフルカウント99で実質60秒(カウントが早い)

・一方スト5は99カウントは99秒。約1分40秒。

最大試合時間がおよそ1.5倍以上の差になります。

 

スト2でだるい組み合わせ代表みたいなガイル同キャラタイムアップなんかも、スト5のタイムアップと比べれば意外と時間はかかってないわけです。

 

ほかの組み合わせで平均を動画でざざっと見比比べてみると、実際の試合時間は50カウント以下で終わることが多いみたいかなーという印象でした。まとめると、スト2の試合時間はだいたい20秒~30秒くらいで1ラウンドが平均かな?と。

 

では一方スト5は?

これは印象ですが、平均して結構試合が長いと思うんですよね。

タイムアップ近く行くことがかなり多い気がします。

カウント70-30くらい…つまり30秒~70秒くらいは平均してかかってる気がします。だいたいスト2の倍くらい。

差が付く要因としてはVリバーサルによる仕切り直しの存在、そもそもコンボの長さ、画面自体がスト2より広いなどいくつかあると思います。

 

もちろん試合時間が長い事自体は悪い事じゃありません。

しかしスト5のように立ち回りがシンプルなゲームの場合、試合時間の長さは面白さを損なっている気がします。スト5のキャラの短い手足や遠近のない通常技でお互いに近い距離で殴り合う攻防は、1ラウンド99秒(1分半)楽しめるほどの面白さがないんじゃないかなー・・・と思うわけです。(つまらないわけじゃない)

 

スト5が出た当初、その近距離で戦うことがメインのゲーム性への評価として「2Dでやる3D格ゲー」なんていう声もありました。しかし他の3D格闘ゲームは実際には技が多彩ですよね。そして鉄拳なんかは1Rカウント60=60秒がデフォルトです。比べるとスト5はシンプルな攻防がメインの割に1Rが長い。そんな気がします。

  

1試合が長く遊べた方が良いという面もありますが、格ゲーの良さの一つとしてポーカーのようにどんどんラウンドをこなしていくテンポの良さもあると思います。コンボゲーなんかはある程度試合時間がないとコンボしてるだけでタイムアップしちゃうので仕方がないのですが、シンプルなゲームの場合は試合時間の長さはあまり良い事にはならないのではと思います。

 

※例えばEVOのときどVSパンク。

数えてみると平均1Rあたり70-50カウントで試合が決まることが多かったです。

つまり30秒から50秒くらい。

スト2でフルの99カウント=60秒や、鉄拳のフルカウントと同じくらいの時間ですね。

お互い超攻撃的なキャラを使ってる割に、それなりに試合時間は長いみたいです。

 

 

VスキルとVリバーサルと削り無しシステム

これら「逆転要素」を重視したシステムも、試合テンポをちぐはぐにしちゃってるような気もします。

 

Vトリガーは逆転要素なので、発動すれば一瞬で勝負が決まったりもします。

裏を返せば、Vトリガーを発動する時間はプレイ時間のほんの一部です。

 

そしてVトリガーを使わせること前提の調整でもあるので、当然通常時の性能が控えめになります。つまりプレイヤーは多くの時間を、なかなか勝負がつきにくい平常時での攻防に費やします。しかし長い時間をかけて退屈な攻防を我慢して特典を積み重ねても、あまり意味はありません。勝負はVトリガーをうまく使った方が勝つからです。

ようするにプレイ時間が60秒があったとして、プレイヤーに残る感情は、最後の10秒の逆転の楽しさ悔しさよりも、退屈な前半50秒の時間なのではないかな?と思うのです。

 

またVリバーサルもあるので、これを使用する場合にお互いが火力を捨てて殴り合うことでますます試合時間は長くなります…泥仕合になったり、先に攻めたほうが不利になったり…

Vリバを使うか使わないかの判断は、戦略的な奥深さはあると思います。なので競技としては良いシステムだと思います。(たぶんギルティのDDAを輸入してきたのかな?)追記:ストゼロじゃないかとコメントで指摘ありました。ありがとうございます。

 

ただでさえシンプルなゲームの中で、Vトリガーは(比較的)唯一の楽しみみたいなものです。勝つためにそれを捨てて防御に回すというのは腕の見せ所でもありますが、エンターテインメントとしては成功していない気がします…

 

 

スト5は画面広い? 

またスト5は画面が広いとも聞いたのでちょっと調べてみたのですが、確かにまあまあ広いのかなとも思います(参考画像)は適当に画面手前合わせで合成したものです。適当な合成なので単純比較はできませんが一応。

 

もし画面が広いのであれば、一つ一つの歩きや技をガードさせること自体の価値はスト2より減っていると言えます。相手を画面端に追いやることのリターンが少なくなってるからです。そのために歩きの駆け引きや技の当てなどにスト2に感じていた面白さをスト5に感じない、というのはありえそうな話かなーと。

 

※参考:

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短い手足 遠近のない通常技のデメリット

スト5の立ち回りは短い手足で戦わないといけないのでつまらないです(断言)

というか、そもそも接近戦メインで通常技が調整されているから中間距離が面白くない。(断言)

 

もちろん手足の長さ自体は慎重な調整の結果でしょう。

近距離での攻防のために最大限気を使ってるのは分かります。

グラップ周りの攻防において、下手に中攻撃が3回とか繋がったら強すぎるだろうし、キャンセルできる下段が長すぎればこれも強すぎるだろうし

そのようなルール違反が決して起こらないようにしていること自体は良いと思います。

 

ただ、スト5には従来のように通常技の遠近がありません。

つまり近距離用に調整された通常技しかキャラクターは持ってません。

そもそも中間距離、立ち回りが面白くなるようにデザインされていないってことですね。通常技の遠近が存在しない弊害がここにあると思います。

 

従来の格闘ゲームが、立ち回り用に使う技と、近距離戦で使う技を分けていた理由。それは格闘ゲームにおいて近距離戦と中間距離におけるシステム、楽しむために必要な要素がかなり違うからでしょう。

 

悲しいことに、この微妙な手触りの通常技は、調整班が有能だから出来上がったとも言えます。しっかりと近距離専用に調整が成功しているからこそ、その武器のみを渡されたプレイヤーが中間距離戦、立ち回りを楽しむのは難しいのではないかなと思います。

 

短い手足、スカる技のストレス

加えて、あたり判定の気持ち悪さについて。

アクションゲームにおいては見た目と判定が違うなんて良くあることですが、大抵は気持よさを重視してのことですよね。シューティングゲームの自分機のあたり判定が小さいとか。

 

でもスト5に随所にみられる判定のズレは製作側の都合にしか見えません。見るからにヒットしてるのにヒットしてない絵面がよくあるからです。足もとを通過する足払いとか、しゃがんでる敵の頭をすり抜けていく攻撃とか(アビゲイルとかとくに)

 

そして上で書いたように、スト5は基本的に接近戦用に通常技のリーチが調整されているので当然というか手足は短いです。スト5の通常技は感覚的に振ると「あれ?届かない?」とストレスを抱えがちではないでしょうか。(あるいはその隙間に意図しないクラッシュカウンターをもらったり)

 

この2つが合わさって、スト5はなんだか動かして気持ちいい瞬間が少なくなってるのではないかなと思います。

 

ボタンを押してキャラクターを操作し、それにたいして画面の中で期待したことが起きる=気持ちいい!というアクションゲームの面白い感覚。

プレイヤーが視覚的に受け取る情報と操作感とのリンク。

そういうのがちょっと足りない気がします。

 

変な硬直

 おまけで、さらに見た目と違うことについて、技の硬直について。

特に初期の豪鬼の百鬼スライディング(名前忘れた)なんかが代表的ですが、見た目と硬直が違いすぎて戸惑う感じがします。そこに前述の短い手足が混ざるので、とっさの行動や判断がすごくやりにくい気が…ヒットストップの調整がやや変なのではと思うのですが、素人なので分かりません。ただプレイしてて違和感は感じます。直感的に動かしにくいキャラ、対応しにくいキャラが多いって感想です。

 

 

重ねと暴れ

格闘ゲームにおいて起き上がりの重ねや、暴れつぶしはいつだって大事なのでしょう。

スト5も当然重要なポイントではありますが…

正直言えば、いちいち重ねの練習をさせるくらいならセットプレイさせてくれよーって思います。初心者用にコンボの目押しを削除しておきながら、一方ではもっと難しい要素を要求するのはちょっと残念感があります。

Vトリガーの逆転性もあいまって、暴れの重要性が高くて、だから相手のミスを期待して暴れてくる人がいて、それに対してきっちり重ねて・・・という攻防は、わりとくだらないなーという感想に私はなります。

 

 

なんか疲れる

以上のような要素から、変なところに気を使ってプレイする必要があるため、「スト5ってなんか疲れるゲームだな」と思っちゃいます。

 

いろんな部分に気を使ってプレイしなきゃいけない割に、派手な瞬間はあんまりないので「いやな疲れ方」をするゲームだな、と

 

(一方で、この技の振りにくいゲームで間合い感覚を詰め捲って自由に立ち回ってるプロプレイヤーなどは本当すごいとも思います)

 

  

まとめ 

以上です(笑)

ようするにテンポが悪くて操作感が気持ち悪いからダメなんじゃないかという身も蓋もない結論です。近距離戦の調整に気を使いすぎて、格闘ゲーム本来の良さである立ち回りの面白さを中心にゲームデザインできていないのではないかなと素人ながらには感じます。まあ色々的外れなことも言ってると思いますがご愛嬌ということで。

 

スト5が当初予定していたであろう試合展開…お互いに削り合いつつVスキルでゲージを貯めながら戦略的に相手を出し抜き逆転する…などが決まれば確かに面白いと思う瞬間もたくさんあります。でもそれらもアクションとしての手触りの面白さの上にないと、やや物足りないものになるんじゃないのかなと。

 

当初カプコンが提唱していた「読み合い」「人と人との闘い」自体は絶対格ゲーに置いて楽しい要素とは思います。でも動かして楽しいとかアクションゲームとしての楽しさ派手さがやはり格ゲーの基礎なんじゃないかなと思うんです。

 

皆さんも格ゲーをやっていて、脳からアドレナリンだかドーパミンだかがどばどば出る感覚を味わったことがあると思います。私は、スト5でその感覚は味わえなかったです。私がスト5に感じる感情は、アクションゲームとしての楽しさよりも、勝負に必要な戦略をしっかり詰めたかどうか問われてる感覚。それをちゃんと遂行できるかどうか、電流イライラ棒とか、そんな感じかなあ…

 

 

半面、自分で戦略を練ってそれを試す面白さのような部分では良いゲームだとも感じます。もうちょっとだけ自由度が欲しいですね個人的には。

 

と、これくらいで愚痴のような記事は終わりたいと思います。

読んで下さりありがとうございました(*^^*)